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英検が2016年度より変ります

2016年度の第1回実用英語技能検定(英検)より「2級」にライティング問題が導入されます。これからの日本の英語教育は、英検変革に現されるように英語の4技能をバランス良く身につけるていくことが求められます。

 


【背景】
2015年3月、文部科学省の諮問機関の協議会から『英語の資格・検定試験の活動促進に関する行動指針』が発表されました。そこには、大学や高等学校をはじめとする各学校は、入学者選抜や生徒の英語力評価に4技能をバランスよく測定できる資格・検定試験の効果的活用を促進する旨が明記されています。


つまりは、これまでの指針では実社会の求める英語力を育てられなかったというとです。国の目指すグローバル人材育成のためには、「英語学習において4技能(聞けて、話せて、読めて、書ける)をバランスよく身につけていくことが大切」と改めて方向修正を各学習機関に求めることとなりました。
英検協会では、これに先立ち、既に2004年より英検1級、準1級の問題において「ライティング(小論文)」を導入しています。次回6月実施の英検2級にもライティング問題が導入されます。英検準2級、3級に関しても、今後1、2年のうちにライティングが導入される予定です。


では、具体的にはどんな問題が出題されるのでしょうか?問題例を見てみましょう。

*模範解答
I think that Internet shopping will become more popular in the future.
First, Internet shopping is very convenient. Some people are very busy during the day, so they do not have time to go shopping at regular shops.
Internet shops do not close at night like regular shops do, so people can shop for things whenever they like. Also, Internet shopping is often cheaper than buying things in stores. People always like buying things cheaply, so they will start shopping on the Internet more in the future.・87語)

ここで大切なことは、下記の3点です。
①自分の意見をしっかり述べているか
②意見が理論や実例によって裏付けられているか
③理解しやすい論理的展開がなされているか

いきなりこういった小論文を英語で書かなくてはいけないことに、多くの受験生は戸惑いを見せているようですが、ニッセイトの生徒さんは小学生からピクチャージャーナル(絵日記)や英語ジャーナル(日記)に取り組み始めます。中・高校生は、より高度な英語ジャーナルに毎週取り組んでいます。ですので、ニッセイトで学習している生徒さんには今回の改革はとても有利に働くことでしょう。


また、英検4級、5級はこれまで2技能判定(リスニング、リーディング)だけでした。しかし、次回からスピーキングのテストが導入されることになりました。試験は、面接委員との対面式ではなく、コンピュータ端末を活用した録音形式で実施します。自宅や学校のパソコン、タブレット端末からインターネットにアクセスし1年以内であればいつでもどこからでも受験ができるしくみです。ただ本人認証等にまだ時間がかかるとして、合否認定は一次試験のみで判定されます。「スピーキングテスト」の結果は「スピーキングテスト合格」として別に認定されることになります。任意受験ですが、受験料はこのテストの導入に伴いそれぞれ500円値上げされます。ニッセイトの皆さんは日頃から学習している内容ですので特別な準備は不要でしょう。


今回の英検改革の大きな目玉のひとつに、英検の結果が、これまでの点数表示に加えて、国際的な英語能力共通尺度である CSE*に対応したスコアも表示されるようになったことがあげられます。

CSEのスコアにより、4技能別評価、他の英語資格試験との比較、世界レベルでの英語運用能力における自分の位置が分かるようになります。注意しなければいけないことは、英検協会は、『4技能をバランスよく身につける』ことが大切だとしていますので、これまでは筆記ができなくてもリスニングで合格できていたような人が、今後不合格になる可能性が高いということです。バランス良く4技能を身につける方針は英検だけでなく、今後、高校入試、大学入試にも間違いなく波及していきます。実際に2020年度より、現在のセンター試験でも、英語4技能を問うとして小論文を書く問題が加わることが決定しています。

ニッセイトの生徒さんには、『会話クラス(EC)』と『総合英語クラス(GE)』で英語4技能をバランス良く身につけていって欲しいと願っています。


*【CSE とは】
国際基準規格である CEFR(セファール)と関連性を持たせて開発したユニバーサルなスコア尺度です。「聞く」・「話す」・「読む」・「書く」 の 4 技能を各 1000 点満点とし、合計 0 点から 4000 点スコアに尺度化しています。
例えば、イギリスである仕事の就労ビザを取ろうとした場合、CEFRでC1以上といった条件が明示されているとします。これをCSEで見ると約2800点以上、つまり英検1級を合格している人であれば、ほぼ4技能に渡って同等以上の英語能力を持つと判断してもらえます。


編集後記

What one likes, one will do well.
好きこそものの上手なれ

生涯に渡って、自分の得意を見つけられた人は強いです。ですから、ニッセイトで英語を学ぶお子さんたちにも、まずは英語が好きになってもらいたいと思います。そして得意にして欲しいと思います。ひとつ得意なことがあると、自信が生まれ、そこからいろいろな可能性が生まれます。英語が好きだなと思ったらとことん得意になるようにやってみましょう。ニッセイトは応援します。

≪記事は、毎月発行しておりますニッセイト英語専門教室月刊ニュースより転写しました≫